プロ野球界は例年、秋はシーズンが終わった11月頃から、春はまだ肌寒い2月1日から、キャンプを張って、ひたすらトレーニングや練習に励みます。いずれも寒い時期であるために、どの球団も身体を動かしやすい温暖な気候の地域でキャンプを行います。

広島カープも例外ではなく、例年、秋のキャンプは宮崎県日南市で行っています。また春のキャンプは近年、秋と同じく宮崎県日南市にスタートを切りますが、2月中旬からは日南市に居残りしてキャンプを続けるチームと、さらに暖かい沖縄県沖縄市で他球団との練習試合を交えながら鍛練を続けるチームの二手に分かれます。

宮崎県日南市でのメインのキャンプ地は日南市内にある天福球場です。宮崎県の県庁所在地である宮崎市の南に位置し、JR日南線の油津駅が最寄りとなります。駅からほどなくして天福球場があります。冬でも温暖で、雨が少ないという地理的な特性もあり、広島カープは1963年から50年以上にわたって、この球場をキャンプ地としています。

天福球場でのキャンプはもちろん見学することが可能です。日頃のテレビ中継や試合観戦では見ることができない練習に打ち込む姿や時には選手同士で笑いあっている姿などを間近で見ることができます。

また、日南市内の商店街を、天福球場に向かうために自転車やランニングで移動する選手もちらほら見かけることもできます。あくまでもウオーミングアップで練習中なので、けして邪魔をしないような配慮が必要です。球場内ではサイン会を開かれることもあり、練習が終わって宿舎に引き上げる際にはサインや握手に応じてくれる選手もいます。カープ女子にとっては憧れの選手に直に触れることができるチャンスとも言えるでしょう。

一方で、春のキャンプが行われる舞台の1つが沖縄県沖縄市にある沖縄市野球場(コザしんきんスタジアム)です。2014年に改築工事が完成し、キャンプを行っている広島カープの本拠地・マツダスタジアムとほぼ同じ広さのグラウンドを持つ球場に生まれ変わりました。那覇空港からレンタカーを利用しても、ハイウェイバスを利用しても、沖縄自動車道の沖縄南インターチェンジからすぐの場所にあります。

沖縄でのキャンプは1軍のメンバーが中心となります。その年の広島カープがどういった選手たちでシーズンを戦おうとしているのかが把握できるだけでなく、カープ女子にとっては主力選手を間近でチェックできるチャンスでもあります。

このように広島カープのキャンプは、ファンと選手との距離が非常に近いのも大きな特徴です。球場周辺や宿舎との行き来で選手を見かけることもあります。間近で選手をチェックするには格好のチャンスともいえます。

また、宮崎といえば地鶏や宮崎牛など名物が盛りだくさんです。さらに沖縄は世界に誇る青い海とさんご礁、そして独特の文化や沖縄料理が楽しめます。広島カープのキャンプを訪れるときは、ぜひこういった名物も一緒に味わってみてはいかがでしょうか。キャンプがより楽しく、内容の濃い時間が過ごせること間違いありません。