近年、プロ野球はサッカーにも押され気味で、人気にかげりが見られると言われています。読売ジャイアンツや阪神タイガースなどの人気球団であっても、ファン離れの傾向が見られる中で、特に何もしなくてもファンが増えるというような時代は終わり、各球団はそのチームの魅力を高め、新たなファンを獲得しようと、様々なファンサービスをするなど、経営努力をしています。

そんな中で、広島カープはプロ野球界で唯一、親会社がない球団であるために、球団として存続していくためには、自分たちでアイデアを出しあい、それを形にしてファンに提供していく…地道な経営努力が必要であり、それは何十年にも渡って、わずかではあるものの黒字経営を続けている要因となっています。ファンがあっての球団、地元に密着しての球団なのです。

そのため、他の球団にはない独自のファンサービスもたくさんあります。それがカープ女子ならず、すべての広島カープファンの心を満足させているのです。

広島カープの本拠地であるマツダスタジアムはまさにファンサービスの集大成と言えるでしょう。老若男女問わず、楽しんでもらえるスタジアム作り…それは寝ソベリアやパーティーフロアなど、個性あふれる座席スペースの数々にも表れています。また、時には地方から自治体のPRをするイベントとあり、試合が行われるたびにマツダスタジアムは少しずつ表情を変えます。「野球にはあまり興味がないんだけど…」という方でも、ファンサービスであふれたスタジアムに来ると、その雰囲気を楽しめるだけでなく、「気が付けばカープファンになってました!」という方も少なくはないのです。
また、時折「おっ!」と驚かせるようなファンサービスをすることも広島カープの特徴でしょう。

2015年には、ファンクラブ会員や一般のファンなど限定企画として、広島県外の広島カープファンにもマツダスタジアムでカープの試合を見てもらおうと、なんと新幹線を貸し切りにし、東京をスタートして、新横浜、名古屋、新大阪、新神戸と停車し、次から次へと広島カープファンを乗せるという企画を行いました。驚くべきは料金は観戦チケットと限定グッズの5000円のみで、片道の新幹線の料金は球団がもつという太っ腹。しかも、広島カープのOBが車掌を務めたり、選手が車内放送をしたりと、そのサービスには驚きの連続で、抽選はかなりの狭き門となりました。

その他にも数多くの企画でファンを楽しませてくれるだけでなく、毎年のようにバラエティー豊富で、ユニークなものもあるグッズもファンにとっては楽しみな要素でもあります。次はどんなことをしてくれるんだろう…と待つ側からすれば、飽きさせないのも広島カープのファンサービスの特徴です。プロ野球の12球団の中でもファンサービスに関しては顧客満足度がトップクラスだと言われています。一度スタジアムに足を運んだら、もう一度行ってみたくなる…リピーターも多く、女性のハートもしっかりキャッチし、また新たなカープ女子が誕生しているのです。